コラム

相続はどの専門家に相談すべきか

千葉県佐倉市 わたなべ司法書士事務所 司法書士 渡辺健治 です。

1 相続が開始したら

大切な人が亡くなると、相続人は、相続を承認するか、家庭裁判所に相続放棄の手続をするかを原則として3ヵ月以内に選択しなければなりません。相続を承認するか、相続放棄をするかは、相続財産調査(亡くなった人の財産や負債を調べること)をして判断することになります。一般的には、負債よりも財産が多い場合には相続を承認し、財産よりも負債が多い場合には相続放棄ということになります。また、遺産が一定額を超える場合には、10カ月以内に相続税の申告をしなければなりません。

2 専門家の業務範囲

  取り扱うことのできる業務は法令で定められています。

(1)弁護士

   一切の法律事務を取り扱うことができ、取り扱える事務に制限はありません。

(2)司法書士

   登記又は供託に関する手続の代理、法務局又は裁判所に提出する書類の作成、これらの相談業務などです。

(3)税理士

   税務代理、税務書類の作成、これらの相談業務などです。

(4)行政書士

   行政庁に提出する書類の作成、権利義務又は事実証明に関する書類の作成、これの相談業務などです。

3 相続放棄をする場合

  税理士、行政書士は相続放棄に関する業務をすることができませんので、弁護士か司法書士に相談することになります。弁護士は代理して家庭裁判所に手続をしてくれますが、一般的に司法書士より費用が高額です。司法書士は、弁護士のように代理して手続をすることはできませんが、必要な書類の収集や書類の作成を任せることができ、依頼者の労力はそれほど多くありません。費用を抑えたいなら、司法書士に相談することをお勧めします。

4 遺産に不動産がある場合

  相続を承認して遺産を承継することにした場合(家庭裁判所に相続放棄の手続をとらなければ、自動的に相続を承認したことになります)、不動産については、法務局に相続登記(名義変更)を申請する必要があります。税理士、行政書士は登記に関する業務をすることができませんので、弁護士か司法書士に相談することになります。しかし、登記業務を扱う弁護士はごく少数ですので、登記の専門家である司法書士に相談するのがよろしいかと思います。司法書士は、戸籍謄本等の収集、遺産分割協議書の作成もすることができます。必要に応じて依頼するといいでしょ う。また、相続税の申告が必要な場合、税理士の紹介を依頼することもできます。

5 遺産に不動産がない場合

  不動産以外の遺産として主なものは、銀行預金、株式、投資信託などの金融資産です。これらの相続手続は、弁護士、司法書士、税理士、行政書士のどの専門家でも取り扱うことができます。お近くの専門家に相談してみてください。ただし、報酬が高額になることがありますので、依頼する前に、見積りをしてもらうことをお勧めします。また、費用を抑えたい場合には、戸籍謄本等の収集や遺産分割協議書の作成だけを依頼してもいいかもしれません。

6 遺産の分け方などで相続人間に争いがある場合

  この場合は、弁護士一択です。弁護士以外の者が紛争に介入することは、法律により禁じられています。

7 遺産が高額で、とにかく相続税が心配な場合

  税理士に相談しましょう。節税になる遺産分割のやり方を一緒に検討してもらえます。私(司法書士)も、遺産が高額な場合、知り合いの税理士に入ってもらい、遺産分割のやり方を検討してもらうことがあります。

8 まとめ

  相続放棄をする場合は相続開始から3ヵ月以内、相続税の申告は10ヵ月以内という期限があります。手続は相続人自身ですることができますが、自信がない場合には、早めに専門家に相談しましょう。ご近所や知り合いに専門家がいる場合、その専門家から適切な専門家を紹介してもらうのもいいでしょう。

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